溶接の世界へようこそ!

今日から新たに「産業」カテゴリーを追加しました。
で、今日僕はどこに行ったかと言いますと・・・建設業や製造業ならば非常に縁が深い、溶接に関する機械等が一同に展示されている「大阪ウェルディングフェスタ2006」という展示会に行って参りました。仕事柄、溶接とは切っても切れない縁があるので、今後の勉強も兼ねて参加したのですが、このブログを御覧の皆様にとって、溶接と言われてもピンと来ない方がほとんどだと思います。しかしこの「溶接」という工程は、鉄と鉄を繋ぎ合わせて一つの構造物を作るという、鉄製品加工に欠かせないプロセスであり、繋げる金属の材質や厚みにより母材や電力等を調整しなければなりません。故に、とても懐が深いのです!
会場は、様々な展示会はもちろん、夏になると「SUMMER SONIC in OSAKA」のライブ会場にもなる多目的展示場のインテックス大阪。最初は「限られた業界人への完全招待制だから、そんなに混まないだろう」と思っていましたが、この業界の人は多いのか、かなりの人で賑わい、駐車場に入る車も多かったです。しかし、ライトバンハイエースなど、工事現場でフツーに見かける車がやたらと目立っていました!

で、早速会場で見かけた溶接機をご紹介致します。
  
1、ロボットによる溶接

自動車工場など、大量生産が行われている工場では当然主流となるのがロボット。鉄と鉄の接合部にロボットアームを押し当て、アームにセットされたワイヤー状の母材を電気的にスパークさせることで溶融して接合面に流すというものです。
最近ではロボットアームも小型化が進み、写真右のようなコンパクトタイプも出てきました。(といっても一般人の感覚からするとデカいのだが・・・)
で、この手のロボットなのですが、写真右のタイプで何と1500万円するそうです!あのレクサスLS430より1.5倍も高い!当然これは個人で購入なんてあり得ないので、この価格の元が取れる程の出荷量を誇る工場の経営者及び設備担当者が購入を検討するものだと思います。
しかし、自動車工場はこの手のロボットだけでも数十台あるから、全ての設備・・・一体何百億円位するのだろうか?想像を絶します・・・。
  
  
2、人間の手による溶接

そうは言っても人が行う溶接作業も当然ながら多く、建設業の場合はほとんどがコレ。故に溶接工の技量が問われ、しかし現在は深刻な後継者不足があらゆる現場・工場で起こっています。つまり、極めるのは難しい世界なのですが、溶接機は品種改良を続けています。
先程紹介した、ワイヤーによる溶接(現場では「半自動溶接」と呼んでいる)も人の手で行われることが多く、今日の展示会では小型化した最新の機械が登場しました。ちなみに使用電力は、一般家庭のコンセントが100Vなのに対し、溶接機はだいたい200Vが主流です。
で、写真右は・・・ワイヤーではなく溶接棒を使った、溶接の基本形ともいうべき「アーク溶接」のデモンストレーションです。実際現場で作業する場合は、ちゃんとした免許が必要なのですが、今回は特別に溶接体験コーナーがあったので、試しにやってみました!

写真の波打った様な所が、今回僕が溶接してみた部分です。溶接中は目を痛めてしまう程の強い光(これをアークと呼んでいる)が発生するので、遮光レンズを用いた溶接面越しの作業故に自由に棒を溶かすことができませんでしたが、思ったより上出来でした。
けど僕らが簡単に「ここ溶接やって!」と指示しているこのアクション、実際やってみると大変です!作業員の方々の大変さがよく分かる、いい機会だったと思います!
  
  
3、ついでに発電機の話を
まともに電力が供給されない工事現場で活躍するのが発電機!詳しく話せば長くなるので・・・タイプと価格相場について簡単に触れてみたいと思います。

写真左:簡単な工場設備なら溶接機としても使用出来るタイプ。家庭用でもおなじみの100V電源付。ガソリンエンジン搭載で、買ったらだいたい20万円前後します!
ちなみに、ホンダやスバルもこの手のエンジン式発電機を作っていますが・・・残念ながら、VTECや水平対向エンジンは搭載されていませんでした。(当たり前だけど・・・)
写真中:花見シーズンに各地の公園で活躍している簡易式発電機。それでもエンジン付!買ったら10万円前後します。
写真右:工場用電源にも使えそうな大容量タイプ。ほとんどの溶接機を駆動できる200V仕様!ちなみに買ったら100万円前後します!
  
  
最後まで訳分からなかった方、本当にごめんなさい・・・。
けど現代産業において必要不可欠な工程、それが「溶接」!その世界が雰囲気だけでもお分かり頂けたら光栄です!
もちろん、他にもいろんな展示物があり、今まで知らなかった工法を発見するなど、僕的に今日はけっこう有意義な一日でした。