平城遷都1300年祭〜日本一ユルい博覧会!?

京都に並ぶ古都でありながら、関西では今一つ地味な印象の奈良県。しかし、そんな奈良県が今、全国的な注目を集めています!その注目の核心ともいうべきイベントが「平城遷都1300年祭」!
しかし実際の所、せんとくんばかりが有名になって、具体的にどんなイベントをやっているか、関西エリアの人にとっても分かりづらいのが現実。そこで、快晴の土曜日を利用して、早速会場となる史跡平城京朱雀大路跡に行ってきました!

今日のブログで、平城遷都1300年祭のメイン会場を紹介しますが、一体どんなイベントか・・・先に結論を言ってしまうと、「日本一ユルい博覧会」!そう、驚くほど脱力系の構成と運営の、未だかつてない(?)イベントでした!
その「ゆるい」というキーワードに基づいて紹介していきます!
 
ユルさその1:入場料無料!
会場のメインゲートとなる朱雀門広場。外国使節の送迎や大勢の集会などで使われたこの場所をくぐれば、いよいよ遷都1300年祭の世界へ!・・・が、このイベントで驚いたのが、何と入場料、タダ!
朱雀門には普通に券売所があるものだと思っていたから、普通に抜けられたことにびっくり!

 
ユルさその2:会場内に電車が!
さらに、普通博覧会の会場内には決してありえない、電車の路線の横断&踏切の存在!しかも、大阪〜奈良間のメイン路線である近鉄奈良線が思いっきり横断!

それ故、通り過ぎる電車を撮影する電車好きもたくさん見かけました!
さらに、踏切待ちの行列が博覧会会場内にある異様な光景!

  
 
ユルさその3:やたらと広い会場と、驚くほど広い視界!
会場はとにかく広い!おそらく愛知万博と同じ位の広さはあると思います。(愛知万博には行ったことありませんが・・・)
しかし、そこにあるパビリオンはごくわずか。どちらかと言えば、かつての平城京を復元した施設がメインなのですが・・・、会場の広さに対し施設が圧倒的に少ない!
それ故、博覧会とは思えない程視界が広い!!

しかも、会場スタッフがあちらこちらにいるという印象もない為、何となく野放し状態にも見える会場!こんな博覧会、恐らく初めてだと思います。
それがかえって、平城遷都1300年祭の魅力になっているのだと思います!
 
 
この会場におけるメイン施設、それが第一次大極殿天皇即位式や外国使節との面会など、国の最も重要な儀式の為に用いられた場所を見事に復元!




天皇玉座も再現され、国の頂点に立つ天皇が居座る、高貴な存在感を放つスポットは多くの人々の注目を集めます。

そんな玉座から見た風景は、こんな感じだったのでしょう。もちろん、周りのビルは当然ありませんが、広い平城京構内を見渡す、天守閣のような場所であることが実感出来ます!

さらには、天井や壁などの細部に至るまで、人の手の込んだ芸術的な内外装も再現!当時の造型家&芸術家達の匠の技は素晴らしかったんだろうな、と思わせてくれる造りです!


ユルさその4:会場内に一般公道が!
やたらと広い会場を、次の目的地目指して歩いていると・・・どういう訳か会場内に普通に車や自転車が走る!どういう訳だ?と思っていると・・・

会場内には電車だけでなく、一般公道まで走っているのです!これも入場料無料ならでは!?そういえば、2月に「なばなの里」に行った際は、会場の周りにブルーシートを張り巡らし、入場料を払っていない人は見れないようにしていた様な。それを考えると、第一次大極殿でさえも周りの市道から簡単に鑑賞出来る、そのユルさが思いっきり新鮮!
 
 
ユルさその5:とにかく全館無料の良心的特別拝観!
次の目的地は、宮内省や東院庭園の特別拝観。まず宮内省に向かっていると、奇妙な造型の園芸が!

一体この造型が何を意図するかは(?)ですが、円柱状にカットされた木がずらりと並ぶ光景!「ナニコレ珍百景で紹介されそうだ」という声を実によく聞きました!思わず納得。
 
コチラが宮内省です。ここでも独特のユルさは健在!急かされずにじっくりと鑑賞出来ます!

 
そして、遺構展示館という、発掘調査で見つかった遺構をそのまま見られる施設へ。通常なら有料になるケースが多い中、平城遷都1300年祭の場合、何とタダ!

中に入って見ると、奈良には無数の遺跡が眠っているという事実を実感できる遺構が、リアルに公開されていました!



 
さらには、当時の瓦や木で出来た水樋等の展示品もあり、平城京の建造物について知ることが出来る貴重なアイテムが多数ありました!



ちなみに、会場内ではフツーに遺跡発掘調査を行っており、これまた簡単に立ち入れそうな程無防備な状態!これもまたコンセプト通りのユルさか!?

 
 
あともう一つ、東院庭園広場も見てきました!

やはり古都には日本庭園がよく似合う!さすがに京都で見たものに比べると、非常にシンプルな印象がしますが、平安京の時代よりも前に存在した庭園、当時から「水辺と緑と木造建築のハーモニーが奏でる造形美」を確立している辺りはさすがです!



ちなみに、庭園付近の建部門から見えるのは・・・フツーにトラクターが走る田んぼの風景。これもまたコンセプト通り(?)のユルさ全開!?

 
 
ところで、この日は5月30日という事で、イベントが多数企画されている期間(次は8月20〜27日)ではなかったから、比較的穏やかだったのかもしれません。さらに、この日は訪れなかった場所にも見所はあり、遣唐使船復元会場や、平城京跡資料館(これもタダ!)等、これから訪れる方にはぜひ見に行って頂きたいスポットはたくさん!
そして、廻れなかったスポットはあるものの、お土産屋さん廻りも含めて会場内滞在時間は4時間。しかも、ひたすら歩いたので翌日はとんでもない筋肉痛になりました・・・。ここだけは「ユルい」とは言い切れなかったか?
 
 
とはいえ、やはり「百聞は一見にしかず」です!驚くほど脱力系の、一方で普通にピクニック感覚で(?)立ち入り出来る会場!一方で見事に再現された平城京の施設を、落ち着いて見て廻れる、何とも平和なひと時を楽しめるイベント!しかもタダ!!
 
肩肘張らずに何度も訪れたくなる。そんな不思議なイベントです!不思議な内容ですが、まだ行った事がない人にはぜひとも、一度訪れる事をお勧めします!
 
・・・あと、どうせ平城遷都1300年祭に行くなら、奈良市街地の史跡巡りとセットでどうぞ!(奈良スナップショットは近日このブログでお届けします)
 
 
 
平城遷都1300年祭公式ホームページ