今週の1枚 Vol.23

考えてみれば今週はあまりいろんな曲を聴いてないような・・そんな中、やはりこのアーティストの曲を聴きたくなってしまうのです。坂井泉水さんの優しい歌声、そして、強烈なまでに鮮明に蘇るあの頃の記憶・・・
  
 
ZARD「HOLD ME」

HOLD ME

HOLD ME

突然の訃報から早くも2週間が経過し、全国のCDショップでは「ZARDコーナー」が相次いで開設されたり、カラオケに来た人の6組中1組がZARDの曲を歌ったり・・・今改めて、彼女の功績をたたえる動きが拡がっていますが、僕がZARDの曲の中で最も思い入れがあるものと言えば、やはり2ndALBUMの「HOLD ME」なのです。
まだあの頃はZARDは固定メンバーによるバンド編成であり、他のメンバーの名前もクレジットされていました。(結局メンバー全員の写真は存在しませんでしたが・・・) リリースされたのは1992年でしたが、僕が初めてこのアルバム全曲を聴いたのは翌年の1993年、予備校生時代の春でした。
当時はカセットテープに録音したものでしたが、再びそれを引っ張り出して再生すると・・・鮮明に蘇るあの頃の記憶!わずか11曲の中に、いろんな歌の表情があり、励ましてくれる歌、切なくさせる歌、ミステリアスな歌・・・それを見事に表現してくれた坂井さんの歌声は本当に素敵でした!
特に思い入れのある歌は、親しみやすいミディアムテンポの曲調と、失恋を経ても新しい自分へと前向きに切り返していく気持ちを歌い上げた歌詞が見事な「誰かが待ってる」、とても優しく、そして明るく聴き手の僕達を励ましてくれる「あの微笑を忘れないで」、何となく陰がある部分を持ちながらも、それを疾走感のあるサウンドで上手く盛り上げる「Dangerous Tonight」、そして、好きだった人への後悔の気持ちを実に切なく歌い上げた「遠い日のNostargia」です。けどアルバム全体の出来がものすごくよかったので、何度も最初から最後まで聴き通しました!
そして、蘇る1993年の自分。そして、あの頃起こった世間の話題や、その頃の生活観まで・・・。1993年の記憶、その多くを一気に吸収したアルバムだったのです!だからこそ、僕の思い出を彩るアーティストの一人に、ZARDがいたのです!改めて過去の作品を振り返ってみても、本当に多くの名曲を残した偉大な人だったんだなぁ、と、改めて思い知らされた次第です。
  
ちなみに、どうしても僕の頭から離れないZARDの曲の中に、2ndALBUM「もう探さない」のラストの「いつかは」という曲があるのですが・・・
もう探さない

もう探さない

この曲は非常に貴重な、坂井泉水作詞・作曲のナンバーなのですが、その歌詞はこの時期に聴くにはあまりに悲しく、今改めて「坂井泉水さんはもういないんだ・・・」という寂しさがこみ上げてくるものでした。けど最後の歌詞に「・・・あなたの中に 生き続けるの」とあるように、彼女の残した名曲は、いつまでも僕達の心の中にあるのです!
坂井さん、素敵な音楽の数々、本当にありがとうございました。