5代目レガシィ総力特集!

当ブログにおいても随時その行方をお届けしてきた5代目レガシィコンセプトモデル登場時の印象は、非常にネガティブなものでした。しかしその概要が見えてくると共に、少しずつ印象は好転。そして、いよいよ5月20日、待望のモデルチェンジを果たし、僕たちの前にその姿を現しました!
 
ここで改めて、歴代レガシィが残した20年を簡単に振り返ってみると、その代ごとに大きな功績を残してきました!
1989年に登場した初代は、当時まだワゴンという車種が単なる商用バンの延長線だった時代に、初めて誕生した「積極的理由で選べるワゴン」であり、「ターボ+4WD」がもたらす高性能と、ワゴンならではのユーティリティーの高さによって、レガシィの地位を確立したモデル。また、それまでマニアックなメーカーという印象が強かったスバルが、初めて多くの顧客を得たモデルともいえます!
1993年に誕生した2代目は、初代が確立したレガシィの資質を大幅に昇華させ、また1996年のマイナーチェンジにおいて、外見ではなく性能のビックマイナーチェンジという、日本車としては極めて珍しい手法によって2リッター車初の280馬力を達成!1年毎に熟成を進め、その代のモデルを磨き上げていく真摯な開発姿勢を確立すると共に、キング・オブ・ワゴンの地位を不動のものにした偉大なモデルでした!
1998年に誕生した3代目は、キング・オブ・ワゴンとしてのさらなるブラッシュアップはもちろんですが、最大の功績はやはり、B4として大幅に魅力を増したことでセダンを復権させ、さらにはワゴン+SUVのクロスオーバービークルの世界的パイオニアであるアウトバック(当時はランカスター)を人気モデルに押し上げる事で、今なお続く「ツーリングワゴン、B4、アウトバック」の3つの個性を確立させたことにあります!
そして、2003年に誕生した4代目は、内外装及び動力性能の質感を大幅に向上させると共に、SI-DRIVEやSI-CRUSEなどといったハイテクデバイスを積極的に採用。レガシィを遂に、プレミアムセグメントへと押し上げたのでした!
そんな代を追う毎に成長しながらも、基本的思想は一切変えずに熟成を重ねてきたレガシィが、20年目に魅せるイノベーションとは?姉妹ブログ「Emerald Scene」では発売日当日にいきなり紹介してくれました!それを見て「まずは見に行かなきゃ!」と、早速スバルのディーラーに出掛け、その実車を見てきました!
 
今回登場した5代目は、型式番号がツーリングワゴンとアウトバックはBR型、セダンのB4はBM型となります。まずは、この3つのモデルを紹介していきたいと思います!
 
TOURING WAGON 2.5i S-Package

レガシィのメイングレードといえばツーリングワゴン!これまで紹介してきた通り、ボディは大型化されました!その違いは見た瞬間はっきり分かる程でした!しかし、全幅は1780mmと日本のインフラにも何とか対応可能であり、全高も明らかに高くなったとはいえ、立体駐車場にはちゃんと入ります。
今回のモデルチェンジでは、4代続けて不変だったディティールを遂に変更してきました。その1つ目が、サッシュレスタイプだったドアが、とうとうサッシュ付のオーソドックスなタイプに変更された事。これでとうとう、80年代には猛威を振るっていた(?)「4ドアハードトップ」と呼ばれるボディ形状が、日本車から絶滅してしまいました!
そして2つ目は、それまでリアウインドゥとサイドウインドゥは一体化されたようなデザインでしたが、とうとう一般的なDピラーを持った形状へ。そのせいか、遠くから真横を見ると何となくアテンザワゴンのようにも見えました・・・。
しかし、リアセクションのまとまりはなかなかのもので、実にバランスのいいプロポーションでした!18インチのアルミホイールも似合っています!
 
 
B4 2.5GT L-Package

B4オーナーである僕としては、最も気になっていたのは当然B4!世界的に見れば、このB4がメインモデルだそうで、そのせいでしょうか、とても立派で高級に見えました!
フロントセクションは、肉食獣みたいな強烈な存在感を放つデザイン!しかしリア周りは、どことなく真横がスカイラインに、リアコンビランプがレクサスGSに似ているような気がしました。特にリアのデザインに関しては、十分に改善の余地があると思いました。例えば、マイレガシィ(BE型)のような横一文字基調のデザインにしてワイドに見せれば、とてもセクシーなリアビューに生まれ変われると思います!
しかし、ボディの拡大代のほとんど全ては、居住性の向上に当てられている事を、乗った瞬間に実感出来ました!とにかく広い!足元の余裕は先代の比ではない!前回のモデルチェンジでは、あまり室内空間が拡大されていない感じだったので、時として後席の広さが軽自動車(といってもワゴンRやムーヴ)に劣ってしまうと感じたことも多々ありました。新型ではそんな心配はなさそうです!
さらに、全高が高くなったことで乗り降りがし易くなりました!今回のモデルチェンジで、実はシートのヒップポイントが大幅に高くなり、それまでのスポーツカーっぽい着座スタイルから、一般的なセダンの着座スタイルに変更されています。また、シート形状も見直され、スポーツ走行だけでなく、街乗りの際の快適性にも大幅に寄与しているそうです。その真価が実感できるであろうロングドライブを、ぜひ新型レガシィでしてみたい!
 
 
OUTBACK 3.6R

アウトバックに関しては、米国仕様同様の全幅1820mm。それ故にフェンダーの存在感が際立ちます。とは言え、これでオフロードを走るのが実にもったいない程の、極めて高い質感が感じられる内外装!特に今回のアウトバックは、赤が実によく似合います!
そして室内は、僕が大好きなアイボリーホワイトの本革シート!上質感は折り紙つきです!
さらにはアウトバック専用の3.6L水平対向6気筒エンジンが与えられる等、レガシィシリーズの中でも極めてプレミアム性が高いモデルと言えそうです!
 


B4を中心に、内装の質感についてじっくりチェックしてみました!室内空間が広くなっただけでなく、先代で実現した質感の高さは今回もしっかり維持出来たことは嬉しい限りです!
特にコンソール周りのデザインは上々で、米国仕様では剥き出しだったカップホルダーにもちゃんとフタが付き、オーディオ周りのスイッチ類のデザインにも抜かりはありません!さらには、高級車でしか見ることがなかった電子式パーキングブレーキを、200万円代からラインナップしている車に採用している点は実に素晴らしい!これはMT車にも搭載され、世界初の「電子式パーキングブレーキ+6MT」を実現!坂道発進はどうするんやろ?と思っていたら、何と、アクセルを踏めば自動的にブレーキ解除となる機構が搭載されていたのでした!これは凄すぎる!
さらに、今回もマッキントッシュ・オーディオは健在!しかし、とうとうMDが消えてしまいました。とはいえ、iPod対応なのは嬉しい限りです!
・・・が、内装において残念な点もあり、まずは僕が大好きな「光モノ・メーター」であるエレクトロルミネセントメーターが消えてしまい、普通のメーターに戻ってしまいました。これはぜひマイナーチェンジで復活させて欲しい!
さらにはインパネのプラスチックの質感も、何か異様に目立つシボ感が何となくネガティブな印象を生み出していました。まだマイレガシィのインパネの方が、シボ感の表現に上質感があるような気がします・・・。これは年改によって十分に克服出来るので、今後のブラッシュアップが非常に楽しみです!
 
そんな新型レガシィを、いきなり試乗する事が出来ました!試乗モデルはツーリングワゴンの2.5i S-Package。新開発のCVT「リニアトロニック」搭載モデルです!
まず最初に感じたのはヒップポイントが高くなった事による視界の高さ!これにより、前方視界の見晴らしがよくなりました!そして、エンジンの静かさと振動の少なさ、水平対向エンジンのメリットをさらに極めた感じの上質な走りが実に素晴らしい!足回りも実にしなやかで、フワフワ感は一切なく、引き締まった乗り心地がGOOD!
さらには先代ではとても褒めたものではなかったパドルシフトのMTモードが、新型では変速スピードが十分に速くなり、ステアリング固定式に改められたパドルは操作性が大幅に改善されました!これなら、十分満足してMTモードを楽しめます!とは言え、僕の本命モデルはやはりターボ車なので、未だ5ATのままということもあって、先代の弱点は克服できたのか?気になるところです。
 
とにかく、さらなる上質感がとても印象に残る試乗会でした!NA車がこれだけの出来だから、ターボ車のパフォーマンスは大いに期待が出来ます!とはいえ、やっぱり僕の本命モデルは「2.5Lターボ+6MT」の、2.5GT S-Package!もちろんB4!これに本革シートやマッキントッシュ・オーディオ+HDDナビなどを付けるといくら位するのか、見積まで取ってもらいました!その結果は・・・諸経費込みで423万円!
やっぱりプレミアムセグメントに突入したレガシィだけに、結構いい値段がします。とはいえ、BMW3シリーズやアウディA4、さらにはレクサスISと比較しても、この性能でこの値段は極めてリーズナブル(!!?)ま、とてもキャッシュでは買えませんが・・・。
 
そんなこんなで長い時間、新型レガシィに見て触れて乗ってきましたが、これまでのネガティブなイメージは、実車を見て全て吹き飛びました!さすがはスバル!レガシィらしさは曲げずに、しっかりと商品価値を高めてくれました!
世間では同時期にデビューした新型プリウスに話題を持っていかれた感さえありますが、6年に一度の大イベントというべきレガシィのフルモデルチェンジは、多くの人の関心を再びレガシィに向けるだけのポテンシャルを、十分に持ち合わせていると断言出来ます!
正直言って、かなり欲しくなりました!・・・が、熟成代があることも確かなので、買い時はやはり・・・D型までブラッシュアップするであろう3年後!それまではやっぱり、愛すべきBE型レガシィB4を、まだ実現していない数々の目標の達成を目指しながら、大切に乗り続けたいと思います!
 

SUBARUホームページ
 
ちなみに、今回もレガシィの新CMは素晴らしい!ツーリングワゴンに関しては、CMタレントにロバート・デ・ニーロを起用!Travisの新曲と共にグランドツーリングへの気運を高めてくれる傑作です!やっぱりレガシィのCMには外国人タレントと洋楽がよく似合う!
けど、強烈にカッコ良かったのがB4のCM!あのカットといいBGMといい、あんなに鳥肌が立つ程カッコよかった自動車CMはZ33登場編以来でした!そんな新CMも、スバルのホームページで見れますのでぜひ御覧下さい!(早くもyoutubeにアップされているみたいですが・・・)