Mr.Children「SUPERMARKET FANTASY」全曲レビュー

Mr.Children待望のニューアルバム、「SUPERMARKET FANTASY」が遂にリリースされました!

SUPERMARKET FANTASY [初回限定盤:CD+DVD]

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正式リリース日は12月10日ですが、店頭に並ぶのはその前日、つまり今日です!早速その日に購入し、今日も仕事帰りが遅かったので短時間しか聴いてませんが、速攻で全曲レビューやりたいと思います!
 
オリジナルアルバムとしては13作目となります。前作「HOME」のリリースから1年9ヶ月。通常ならばだいたい1年半周期でアルバムリリースですが、今回はちょっと遅め。それでもしっかりと自信を持って世に送り出された14曲のうち、シングル4曲、カップリング2曲が含まれているので、今回初めて聴いたオリジナル作品は8曲となりますが、タイトルから伺えるように、きっと「日常のありふれた毎日の中に、キラリと光る出来事を」といった願いが込められた構成だと思います。前作もテーマが「日常」でしたが、今回の作品はどのように日常を輝かせてくれるのか?早速14曲イッキにレビュー!!
 
 
1、終末のコンフィデンスソング
ミスチルの地位を不動のものにした名曲「Innocent World」のカップリングに「マイ・コンフィデンスソング」という楽曲があったので、そのアンサーソングかと思ったら全然違いました・・・。
のっけからいい曲!強烈な世界不況が始まろうとしている不安だらけのご時世に、とてもいい意味で能天気な歌詞が素晴らしい!「油断して渡ろう 慢心して進もう」とか、「足元に落とした視線を上にあげ 胸を晴れ!」などといったフレーズと共に、今の不安が馬鹿げてしまうほど前向きになれそうな、ミスチルらしいオープニングナンバーです!
ちなみに、今作に連動したツアータイトルも「終末のコンフィデンスソング」なのです!アルバムタイトルではなく、この曲のタイトルが採用された、ということは、きっとライブも前向きな曲を中心に組立てられそうで、きっと感動的なステージになることは間違いありません!
 
2、HANABI
こちらは9月にリリースされた、通算33枚目のシングルです。爽やかでポップなメロディーでありながら、その詞は実に切ない別れの歌です。
特に後半に向かうに従い、その切なさや寂しさが深みを増してくる曲の構成は本当に見事です!歌詞だけでは出来ない、サウンドワークの組み立て方も、ホント完成の域に達したといっても過言ではないでしょう。特に最後の「もう一回 もう一回・・・」を繰り返すあたりは、切なさを限りなく高めてくれる見事な締めくくりです!
ちなみに、リリース前からyoutubeでPVがアップされてたのですが、「ミスチルの新作」の注目度はバツグンで、3ヶ月で200万以上のアクセスがあるというのはさすがです!
 
3、エソラ
この曲こそが、今回のアルバムのリードトラックと言えるでしょう。「エソラ」という聞き慣れない言葉ですが、絵に描いたような理想の日常の事を示すのでしょうか?
これまでもミスチルのナンバーには、ありふれた日常を輝かせてくれる名曲が数え切れない程ありますが、ここまで分かりやすいポップな曲調で仕立てられたのは初めてかもしれません!ホント、晴れた日には条件反射的に聴きたくなりそうな珠玉のPOP!月曜の朝の目覚めさえもよくなりそうなエナジーソングです!
 
4、声
こちらは一転して、重いリズムとスローなビートのナンバーです。ミスチルのお笑い担当(?)・鈴木英哉のドラムが実にいい味出してます!
語尾が「・・・たかった」「・・・かった」となっている詞が多く、やたらと「・・・かった」というフレーズが耳に残り、おまけに「・・・かった」で一旦曲が終わる辺りは、見事な計算づくと言いますか・・・脳裏から離れなくなりそうです。
しかし全般的に、何かを待ち望んでいるかのような「声にならない願い」がテーマとなっているのでしょうか?言いたくても言えない事が多い現代人の同感を得そうなナンバーに仕上がっています!
 
5、少年
この曲は、NHKのドラマで主題歌として使われていたみたいで、音源として発表されるのは今回が初めてになります!
「少年」というタイトルから、初期を思わせる爽やかで甘く切ない曲かと思いましたが・・・思いっきり感情を込めて歌う、結構深い曲でした!どうやら「少年のような無防備な笑顔で 愛する人に会いに行きたい」といった、高まる愛情を表現したタイトルなんだと思います。
「迷いも悲しみも 全て僕が受け止める・・・」その強い思いをリスナーの心に強く訴えてくるような、エモーショナルなラブソングだと言えそうです!
 
6、旅立ちの唄
こちらは去年の秋にリリースされた、通算31枚目のシングルです。曲調がなんとなく、冬にピッタリの暖かみのあるものだからでしょうか、ちょうどいい時期にアルバム収録曲として帰ってきてくれました!
最近のミスチルのシングルは、別れや旅立ちをテーマにしたものが多いような気がしますが、こちらは「新たな門出を祝う唄」なのかもしれません。本当は哀しいんだろうけど、その中にも未来への希望を持つことを忘れない人に贈る1曲だとい思います!
もし3月の卒業シーズンにリリースされていたら、期間限定の「卒業ソング」になってたかもしれませんが、この曲調の効果もあって、年中いつでも起こり得そうな「旅立ちの唄」になっている辺りは見事です!
 
7、口がすべって
僕が今回のアルバム用に作られた新作の中で一番気に入ったのがコレです!前作「HOME」に、「Another Story」という曲があったのですが、それに相通じるかのような、「愛し合う2人のその後の暮らし」をテーマにしたような曲です!
ほんのささいな気の緩みから発した一言で、ぎくしゃくしてしまった関係。そうなって初めて気付く相手の気持ちと、自分に芽生えた反省の念。そして、「もう一度やり直そう」と決意を秘めた男の歌、とでも言いましょうか。けどこの手の曲を見事に作れるアーティストは、そう滅多にいないと思います!
数多くの「愛の歌」が多くの人に支持されている、ミスチルだからこそ出来たナンバーだと思います!
 
8、水上バス
1曲の中にいろんな景色が連想されそうな、とても情緒あふれるナンバーです!
とてもやわらかなメロディーラインが、桜井さんの歌声をさらに優しいものにしているかのようでした。どうやらこの曲も、別れの後の心境を歌にしたものですが、冒頭で述べた「いろんな景色」はきっと、それまで過ごした想い出の数々なのでしょう・・・。寂しい歌でありながら、その寂しさとは裏腹の美しいメロディーラインとの対比が何とも言えません!けど、実に美しい1曲です!
 
9、東京
変わり行く「我が町」の中に、いつまでも心の中に残していたい風景がある・・・。自分が愛する街には、きっといくつかのそういった風景が、誰の心にもあるはずです!
ミスチルが初めて「東京」というタイトルの曲を作ってくれましたが、ミスチルの「東京」は、そんな「いつまでも大切にしたい人、場所、想い出、時代」を象徴したものでした。そして、それは誰もが必ず持っているもので、そんな大切な何かへの思いをさらに深めてくれるような、ホント心温まる、珠玉のナンバーだと思います!
 
10、ロックンロール
ミスチルも年を重ねるにつれ、このような人生を語るような歌が増えてきたのでしょうか?「ロックな生き方」を貫きながらも年をとっていく男の哀愁が漂う曲になっています。
我を貫こうとしても、空しさが積み重なる現実を憂う・・・それでも、人生に希望を求め続けようとする、曲の中の主人公に思わず同情してしまいます。そして、最後に「愛されたい」と本音がこぼれるあたりは、思わず「エエ話や〜」と言いたくなります!
この手のスタイルの曲が、今後のミスチルにとっての新・定番になるかもしれません!
 
11、羊、吠える
シングル「旅立ちの唄」のカップリングナンバーです。最近になってこの曲をよく聴くようになったので、アルバムに収録されたのは実に嬉しい限りです!
最初は「狼、吠える」と信じこんでいたので、そのタイトルを知ったときはこの奇妙なミスマッチが実に面白かった!つい引っ込み思案になってしまいがちな「羊」のような人でも、自分の思いを表現しようと精一杯「吠える」という、そのけなげな姿勢に同感!?
これもまた、日常生活の中で起こり得る「心の叫び」とでもいいますか、1年前のシングルのカップリングでありながら、アルバムの世界観とマッチしているあたりはさすがです!
 
12、風と星とメビウスの輪
シングル「GIFT」のカップリングナンバーで、夏にはこの曲もよく聴いていたので、ピアノ弾き語り調のアコースティックなバラードがこのアルバムにも収録されたのか、と最初は思っていました。ところがアルバムバージョンは・・・全くの別物でした!
最初は「ピアノ弾き語りに打ち込み音とフルバンド形式のアレンジが加わった」感じでしたが、1コーラスが過ぎたあたりから、ものすごく重厚で、そして壮大なサウンドに進化するのです!そのスケールは圧巻で、まるで紅白歌合戦が佳境に入った辺りで和田アキ子が「あの鐘を鳴らすのはあなた」を歌うかのような、グランドフィナーレに向けてのボルテージが一気に高まるかのような演出に、思わず鳥肌が立ちました!
このアルバムにおける最大の驚きであると共に、このアルバムバージョンは本当に見事です!
 
13、GIFT
今年の夏にリリースされた、通算32枚目のシングルで、NHK北京五輪中継イメージソングとして非常に有名な曲です!
この曲の詳細に関しては、「今週の1枚」で紹介していますので御覧下さい!
http://d.hatena.ne.jp/royaldo/20080804/1217859198
「日常を素敵に」がテーマの今作の中でも、さすがはラスト2曲目というだけあって、かなりドラマチックに日常を昇華していると思います!僕はこのアルバムのリリースが決まった時、「GIFTはラストから2曲目だな」と予想していましたが、正にそのとおりでした!
今年の年末、ついに、と言うか、とうとう、と言うか・・・ミスチル紅白歌合戦に出演することが決まりました!基本的に僕は、好きなアーティストが登場する所しか観ないので、ミスチルが登場する時だけは実家のプラズマテレビでしっかり見届けようと思います!(あと、コブクロと羞恥心(??)が出る時位は観ようかな。)もちろん、当のNHKにちなんだ、このナンバーで出演するのは確実ですが、司会者の2人(中居正広仲間由紀恵)が出演する映画「私は貝になりたい」主題歌の「花の匂い」を歌うという番狂わせもある、か?(これでもし他局ドラマ主題歌「HANABI」で出演したら、当分NHKに出入り禁止になるかも・・・)
 
14、花の匂い
ミスチル初の配信限定シングルであるこの曲が、予想通りラストナンバーになりました。そもそもミスチル自身が、最初から「ラストはコレ!」と決めていたそうです。
ミスチルのナンバーとしては最も重く、最も悲しい曲であり、思わず涙してしまいそうな感動作でもあります!詳しくは「今週の1枚」で紹介したときの記事を御覧下さい!
http://d.hatena.ne.jp/royaldo/20081103/1225706687
しかし・・・この曲で歌われているような「永遠の別れ」を、テーマである「日常」に含めるのはあまりにも残酷な気がしてなりません。そういった意味では、アルバムの世界観からは外れている、ていうか外れて欲しい内容ですが、この曲に思いっきり感動した僕としては、やはり収録されて本当に嬉しいです!

ちなみに、ミスチル紅白歌合戦へのオファーを承諾した理由が、「今年亡くなった(桜井和寿の)父が、生前紅白が好きだったから」なんだそうです。もしかしたら・・・大晦日には本当にこの曲を熱唱しているかもしれません。
 
 
今回も全曲を紹介してみましたが、いかがでしたでしょうか?ほんの数回しか聴いてないにも関わらず、感じたこと、語りたいことがたくさん出てくる・・・期待を裏切らない、見事なニューアルバムだと思います!そして、さらなる厚みを増した、貫禄のある作品と言っても過言ではないでしょう!
皆様にもぜひ、全曲じっくり聴いて頂きたい!
ちなみに、初回限定版にはDVDが付いており、CDの初回特典としては初のビデオクリップ(PV)集となっています!もちろん、今作に収録されている曲からのピックアップですが、こちらに関しては・・・まだ観ていません。なので、終末あたりにじっくり鑑賞したいと思います!けどやはり「花の匂い」のPVは、涙なしでは見れないでしょう・・・。
 
そして・・・新作と連動して始まるライブツアー「Mr.Children Tour2009〜終末のコンフィデンスソング」の日程も発表されました!チケット争奪戦激化必至のライブですが、今回アルバムを買った人の為の先行抽選予約、という特典が付いています!僕も早速エントリーしました!とはいえ、その当選確率はきっと、宝くじが当たるのに匹敵する程、至難の業なんだろうな・・・と思いつつ、チケット当選の奇跡を信じて待ちたいと思います!
http://www.mrchildren.jp/